協同組合原則(日本生協連訳)
※ICA(国際協同組合同盟)採択
世界で初めて近代的な意味での生協をつくった、ロッチデールの人々の、貧しいけれども情熱的な事業と運動の中から「ロッチデール原則」と呼ばれる生協の運営規則が芽生えました。その後、この原則は、各国の協同組合運動の中に取り入れられるとともに整理され、6つの協同組合原則としてまとめられるようになりました。そして、95年9月、イギリスのマンチェスターで開催されたICA(国際協同組合同盟)100周年記念大会では、「コミュニティへの関与」を加えた新しい7つの協同組合原則が採択されました。この協同組合原則は、どんな社会・経済制度のもとでも、すべての協同組合が守っていくとされる普遍的な原則です。
定義
協同組合は、共同で所有し民主的に管理する事業体を通じ、共通の経済的・社会的・文化的ニーズと願いを満たすために自発的に手を結んだ人々の自治的な組織である。
価値
協同組合は、自助、自己責任、民主主義、平等、公正、そして連帯の価値を基礎とする。それぞれの創立者の伝統を受け継ぎ、協同組合の組合員は、正直、公開、社会的責任、そして他人への配慮という倫理的価値を信条とする。
第1原則
自発的で開かれた組合員制
協同組合は、自発的な組織である。協同組合は、性別による、あるいは社会的・人種的・政治的・宗教的な差別を行なわない。協同組合は、そのサービスを利用することができ、組合員としての責任を受け入れる意志のある全ての人々に対して開かれている。
第2原則
組合員による民主的管理
協同組合は、その組合員により管理される民主的な組織である。組合員はその政策決定、意志決定に積極的に参加する。選出された代表として活動する男女は、組合員に責任を負う。単位協同組合では、組合員は(一人一票という)平等の議決権をもっている。他の段階の協同組合も、民主的方法によって組織される。
第3原則
組合員の経済的参加
組合員は、協同組合の資本に公平に拠出し、それを民主的に管理する。その資本の少なくとも一部は通常協同組合の共同の財産とする。組合員は、組合員として払い込んだ出資金に対して、配当がある場合でも通常制限された率で受け取る。組合員は、剰余金を次の目的の何れか、または全てのために配分する。
- 準備金を積み立てることにより、協同組合の発展のためその準備金の少なくとも一部は分割不可能なものとする
- 協同組合の利用高に応じた組合員への還元のため
- 組合員の承認により他の活動を支援するため
第4原則
自治と自立
協同組合は、組合員が管理する自治的な自助組織である。協同組合は、政府を含む他の組織と取り決め行なったり、外部から資本を調達する際には、組合員による民主的管理を保証し、協同組合の自主性を保持する条件において行なう。
第5原則
教育、訓練および広報
協同組合は、組合員、選出された代表、マネジャー、職員がその発展に効果的に貢献できるように、教育訓練を実施する。協同組合は、一般の人々、特に若い人々やオピニオンリーダーに、協同組合運動の特質と利点について知らせる。
第6原則
協同組合間協同
協同組合は、ローカル、ナショナル、リージョナル、インターナショナルな組織を通じて協同することにより、組合員に最も効果的にサービスを提供し、協同組合運動を強化する。
第7原則
コミュニティへの関与
協同組合は、組合員によって承認された政策を通じてコミュニティの持続可能な発展のために活動する。